CTやMRIで使う造影剤にはどんな副作用がありますか?
CT検査やMRI検査で用いる造影剤は、体の中を詳しく描出したり、病気を発見しやすくしたりするお薬です。臓器に白黒がはっきりついて見やすくなったり、血管の情報が分かりやすくなって3D画像を作成できたりします。また、血流が豊富にある部位に造影剤が集まって、周りより白く映って病気が見えやすくなることもあり、良悪性の判断をしやすくするために用いることもあります。造影剤で得られる情報が増えるメリットが得られますが、一方、造影剤を使うと副作用がでることがあります。
造影剤の副作用は程度により軽症、中等症、重症に分類されます。軽症の副作用としては嘔気、嘔吐、くしゃみや咳、発疹やかゆみ、喉の不快感などがあります。基本的に軽症の場合はすぐに治療が必要になることは少ないです。中等症の副作用としては血圧低下、呼吸困難、顔面浮腫などの症状があり治療が必要になります。これらの症状がさらに重症化すると呼吸停止や心停止など生命に関わってくることがあります。副作用が発生する頻度については、軽症の副作用は100人に2-3人程度、重症のものは10万人に1人の割合で発生するといわれています。副作用は造影剤注入後すぐに症状が出ることもありますが、数時間から数日経過してから症状が出たり、最初は軽症でも経過とともに重症化することもあり注意が必要です。
CT検査やMRI検査で造影剤を使用した後に少しでも「おかしい」と感じたり、症状が出現した場合にはすぐに検査を担当した医師に相談してください。当院では副作用による症状がでた場合にすぐに医師と相談できるよう体制を整えていますので、安心して検査を受けていただくことができます。