造影剤にはどんな種類がありますか?
造影剤には、主に「飲む造影剤」と「注射で入れる造影剤」があります。
「飲む造影剤」で有名なものは硫酸バリウムで、胃X線撮影で飲む白い液体です。腹部のMRIでも「飲む造影剤」を飲んでいただくことがありますが、これは塩化マンガン四水和物(ボースデル®)で、胃や十二指腸の中を黒くすることで胆管や膵管をよりはっきりと写すようにするものです。ほとんど便より排泄されます。
「注射で入れる造影剤」のうち、CTではヨード系造影剤(イオパミロン®、オムニパーク®など)、MRIではガドリニウム造影剤(ガドビスト®など)を用います。どちらも静脈注射になります。主に腕の静脈から入れていき、全身の体内に分布させて血管や臓器を見やすくします。尿中から排泄されていきます。ガドリニウム造影剤の中には、肝臓の細胞に取り込まれる性質を利用した特殊な造影剤(Gd-EOB-DTPA、プリモビスト®)もあり、こちらは便中と尿中の両方に排泄されます。
他にも、カテーテルを使って動脈から造影剤を入れたり、関節の中やリンパ管、子宮卵管に直接造影剤を注入したりして写真を撮る検査もあります。また、眼科では、目の検査で蛍光眼底造影剤という薬を使用することがあります。