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当院は精密検査・診断専門のクリニックです。

膵嚢胞とは

膵嚢胞(すいのうほう)とは膵臓にできる液体がたまった袋状の構造の総称です。膵嚢胞は主に健康診断などの腹部超音波検査(腹部エコー検査)で見つかることが多く、良性のことが多いですが、なかには悪性の可能性がある膵嚢胞があります。従って膵嚢胞が見つかったら悪性の可能性がある膵嚢胞なのか精密検査が必要です。

膵嚢胞から見つかる膵疾患

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は膵液の通り道である膵管から生じる乳頭状(突出した形)に増殖する腫瘍性の嚢胞で、腫瘍から粘液(粘性物質を含むねばりけの高い分泌液) を産生する性質があるため、たまった粘液で袋状になることが多く、膵嚢胞の原因として高頻度に見つかります。良性から悪性まで様々なものがあり、なかには経過中に悪性化するものがあります。強く悪性が疑われる場合には手術が推奨されます。IPMNがある人は膵がんができやすいということが知られているため、小さなIPMNでも慎重な経過観察が必要です。

粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)

粘液性嚢胞腫瘍(MCN)も粘液 (粘性物質を含むねばりけの高い分泌液) を産生する腫瘍ですが、 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) と異なり粘液性嚢胞腫瘍による膵のう胞は膵液の通り道である膵管と交通がないことが特徴です。女性に多く比較的ゆっくり大きくなる腫瘍ですが、経過中に悪性化することもあります。

漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)

漿液性嚢胞腫瘍は 漿液(粘性物質を含まないさらさらした透明な分泌液)を含む小さな嚢胞が集まってできている腫瘍で基本的に良性です。大きくなって腹痛などの症状が出る場合には手術で切除することもあります。

神経内分泌腫瘍

神経内分泌腫瘍 もともとは充実腫瘍(固形の腫瘍)ですが、経過中に腫瘍内部が変化して嚢胞のようになることがあります。神経内分泌腫瘍は手術で切除する必要があります。

膵仮性嚢胞

急性膵炎や慢性膵炎が悪化して膵管が破綻して膵液や壊死物質が貯留することで生じる嚢胞で非腫瘍性の嚢胞です。感染を合併することがありその場合は抗生物質やドレナージなど治療が必要になることがあります。

膵貯留嚢胞

膵液の通り道である膵管がつまってしまい袋状に拡張したもので非腫瘍性の嚢胞です。膵癌の間接的な所見としてみつかることがあるため、 嚢胞近くの膵管が詰まってしまう原因を調べることが重要です。

膵嚢胞といわれたら精密検査はどうすればよいですか?

膵嚢胞の種類を調べるためには画像検査が必要です。画像検査には主にMRI検査をつかったMRCP(MR胆管膵管撮影)と超音波内視鏡(EUS)があります。 MRI検査は膵臓全体を把握することが可能で、特にMRCP(MR胆管膵管撮影)では胆管や膵管を強調することができるので、膵嚢胞の大きさや形、分布、膵管の太さ、膵管と嚢胞のつながりなどを把握することが可能です。また、MRI検査で行う拡散強調画像は悪性症例の描出に有用です。一方、超音波内視鏡(EUS)は膵嚢胞の微細な形態の評価に優れており、悪性が疑われる嚢胞の精密検査に有用です。

当院では MRI検査 によるMRCP(MR胆管膵管撮影)を積極的に行っており、 嚢胞の大きさや形、膵管の太さ、膵管と嚢胞のつながりなどから悪性が疑われないか評価し、悪性が疑われる場合には超音波内視鏡(EUS)などの追加検査を検討します。健康診断などの腹部超音波検査で異常または膵嚢胞といわれた方で当院で精査をご希望の方は、下記をご参照の上外来をご予約ください。

⇒腹部超音波で異常が指摘された場合

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のMRCP像

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