大腸内視鏡検査は安全ですか？どんな危険性（リスク）がありますか？

　大腸内視鏡検査は細心の注意を払って検査を行っていますが100％安全というわけではありません。頻度は非常に低いものの、いくつかの偶発症が起こる可能性があります。大腸内視鏡検査による偶発症には、おもに①内視鏡検査や処置によるものと、②検査を行うために使用した薬剤の副作用によるものがあります。

　内視鏡検査や処置による偶発症には、ポリープを切除した傷口から出血したり、内視鏡で腸管を傷つけ穿孔（腸に孔が開くこと）をきたす可能性があります。大腸内視鏡検査および治療に伴う偶発症発生頻度は全国集計で0.069%と報告されています。また、ポリープを切除した場合は傷口から約1%の頻度で再出血が起こるといわれています。出血が起こった場合には内視鏡による止血治療を行います。出血量が多い場合には輸血が必要になることがあります。出血がコントロールできない場合や消化管穿孔した場合には外科手術が必要になります。
　当院では熟練した消化器内視鏡専門医が細心の注意を払って検査を行っており、25年間で約6万件の大腸内視鏡検査を行っておりますが、外科手術を要する重篤な偶発症は発生しておりません。

　検査を行うために使用する薬剤には、おもに①腸管内の便を排泄させる腸管洗浄液、②検査中の痛みや不安を抑える鎮痛鎮静薬 局所麻酔薬、③腸管の蠕動を抑制する鎮痙薬、④局所麻酔薬などを用います。消化器内視鏡学会の全国調査報告では、腸管洗浄液と鎮静鎮痛薬による副作用が報告されているため注意が必要です。
　当院では腹部症状や便通状態に応じて適切な腸管洗浄液を選択すること、リスクが高い方や不安のある方のために腸管洗浄液を院内で内服できる環境を整えております。また、検査中の苦痛を軽減するために鎮痛薬を用いることも可能ですが、さらに①小児用の細いカメラを用いること、②熟練した専門医が検査していること、③通常は空気で大腸を膨らませますが当院では吸収が早い二酸化炭素で検査を行うことなど、鎮痛剤を用いる以外にも検査中の苦痛を和らげるために専門施設ならではの様々な工夫をしています。

お茶の水駿河台クリニックの大腸内視鏡
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